33・天使のような、お母さんのようなＹさんとの別れを惜しむ
お別れのカンファレンス
2004年3月31日は、1994年3月以来11年間、私たちを支えてくださった「ヘルパーのＹさん」の最後の日になりました。
体力の限界を理由に、引退されました。
Ｙさんは、私達にとっては、最も信頼し、充てにしていた人だけに、とても残念でした。新たに交代された「ヘルパーさん」を信頼したいと思いますが、不安な思いも避けられません。
私のＹさんへの別れを惜しむ思いは、日に日に強くなっていきました。
私は相談員のＨさんに、Ｙさんの素晴しい功績を讃え、Ｙさんの精神を引き継いで頂けるように「送別会」を開いて欲しいと、お願いしました。
Ｈさんは、送別会は開いたことがない、と困られました。しかし私の思いを理解していただいて、6月15日、「カンファレンス」を開いてくださいました。
讃えたい、素晴しい功績
Ｙさんは私たちに、妻が「楽しく、明るく、活き活き」できるケアを、実践を通して教えていただいた一人です。
カラオケ教室に通う趣味を続けておられ、「演歌」を持ち込んでいただいた人です。妻は新しい演歌を、次々と憶えて歌いました。「呆けても新しい記憶ができる」ことを、発見させてくれたのもこの人です。当時私は、喜びと、感動で、私の悲観的な介護観を、希望的な介護観に変えてくれた恩師でもあります。
「刺し子」を持ち込んで下さったのも、Ｙさんでした。
妻がトイレを詰らせて、困ったとき、台風で、ガレージの屋根が押しつぶされた時。失禁で手がつけられず困ったとき、いち早く駆けつけてくださった思い出の多い人でした。
感謝をこめて
当日は、11年間Ｙさんが残された、連絡ケアノートの記録を辿りながら、会話が弾みました。献身的なＹさんの、「心のケア」のエピソードの度に、歓声が上がっていました。
カンファレンスは大成功でした。
11人のヘルパーさんに、支えられていますが、皆さんはお互い日頃接することがないようでした。皆さんも、Ｙさんの功績を、賞賛してくださいました。と同時に、皆さん「心を一つにして」「Ｙさんの精神」を引き継いで下さることを、誓われていました。
カンファレンスを境に、天使のような、お母さんのようなヘルパーさんが、一挙に11名増えたように感じています。
明るく、笑顔で接してくださるヘルパーさんに恵まれて、感謝しています。
2004年7月1日更新