6・人々の愛に支えられて

一項・近隣の人々に甘える
近隣の人々には、心から感謝しています。
発病以前から、特に発病してからも、ずっと助けていただいています。
Kさんは、発病前から、妻とお茶を楽しむお友達でもありました。買い物にも出かけていました。
発病後は、毎日のように訪ねてくださり、一緒にお茶を楽しみ、お話をしてくださいました。
Yさんは、子供さんが孫と同年齢でもあって、孫が来る時は、一緒に遊んでくれ、いつも話し相手に、なってくださいました。
Hさんは、お姉さん気取りで、妻にしっかりせよと、よく励ましに来てくださいます。手作りの野菜をよく頂戴しました。
私は、土曜日曜以外は、殆ど留守にしていましたので、妻のアルツハィマー病については、早くから、お知らせして協力をお願いしていました。
97年、妻は徘徊して２回、行方不明になりました。2回ともKさんと、Yさんには協力をお願いしました。1回はKさんに見つけてもらい、1回はYさんに見つけてもらいました。
呆けても安心して暮せる地域社会での『在宅ケアらしさ』を確保するのに、最初に近隣の人々に助けを求めたのは大成功でした。
今では町内の多くの方に、実情を理解していただき、町内の役割も免除していただいています。

二項・娘とその家族に依存する
娘と娘の夫となる人には感謝しています。また2人の孫にも感謝しています。
92年、妻の最初の徘徊で「見守り」を必要とした時、いち早く相談を持ち掛け、協力してもらいました。当時、孫は小学校の3年と2年、今年は、大学3年と2年になっています。
火曜日と木曜日、11時から17時30分まで「見守り」をお願いして11年目になります。今では「在宅ケアらしさ」を確保する、介護の中軸になってもらっています。
私はこの10年、介護疲労も関係してか、心筋梗塞、狭心症、不整脈発作、喘息発作などを繰り返し、数回救急車や入院を繰り返しています。多病息災ですが、明日の保障はありません。
2001年、成人後見制度を活用、妻の後見人にもなってもらいました。

三項・天使のようなヘルパーさんに恵まれて
よき時代の、妻の発病であったと感謝しています。
幸運にも93年、妻の最初の徘徊で「見守り」を必要とした時、月曜、水曜、金曜の午後を京都福祉サービス協会に引き受けてもらいました。契約は「見守り」です。
この「見守り」の契約で、ヘルパーさん、娘と私で24時間「フルタィムケア」が成立できたのです。
「フルタイムのケア」は私の介護のイロハを学んだ、最初のピンチが最初のチャンスになったのです。詳しくは、4・天使のようなヘルパーさんから、介護のイロハを学ぶ、をクリックしてみてください。
妻の病気の進行と共に、「在宅ケアらしさ」を確保するためには、ヘルパーさんは欠かせない存在になって行きます。ヘルパーさん個人の都合や、協会の都合で、ヘルパーさんは次々と交代されます。現在は、ポイント・サービスを含めて、一週間に10人のヘルパーさんが交代で介護サービスをしてくれます。有難いことに、どの方も皆、天使のようなヘルパーさんなので感謝しています。
四項・料理ボランティアの愛に支えられて
ボランテアの人々
ボランティアの人々
介護者の介護の質が悪いと、患者は救われません。私は、介護の質を問われる、ピンチに直面します。1994年、妻が、買い物が出来なくなり、食事の料理が出来なくなりました。
妻に代わった私が、買い物をするようになり、料理を作るようになりました。ところが、私が作る料理は、不味くて、妻が食べてくれません。妻は、食べないから、どんどん痩せて行きます。
「在宅ケアらしさ」は私の家事能力の拙さで、崩壊寸前でした。
妻の体重が、45キロから37キロまで減りました。ピンチでした。

ケアする者のケアをお願いする。
こんな時、助けていただいたのが、ボランティアの皆さんです。
1995年7月から2年間、月一回、栄養士さんの料理教室を、私の家で開いてくださいました。
私はこの人たちのお陰で、料理のイロハを学び、料理の達人に成長します。
今では、私の作る料理は、美味しくなり、妻はよく食べてくれます。お陰で37キロの体重は、45キロに回復し、最近では51キロと肥り過ぎになっています。
1997年、妻の多動錯乱期の「心の糸は切れる」症状は、誰彼なしに受け入れなくなります。料理教室の継続が困難になりました。6月を最後に、料理教室は中止をしてもらいました。
ところが、1997年7月以降も皆さんは、引き続いて来てくださっています。今度は、私の介護疲労をねぎらってやろうとの好意です。材料持参で月一回料理を作ってくださいます。そして皆で会食。団欒の楽しい一時を、提供して下さっています。心から感謝しています。
トップページに戻る
次のページへ